勘違い

リョウケイ

2006年09月19日 00:54

最近、王様のレストランと言う昔のドラマを観ました。
そこで、おもしろい場面がありました。

高級フランス料理店に縁の無い青年(筒井道隆)が、
伝説のギャルソン(松本幸四郎)のパンの食べ方について
マニュアル本片手に、こう言いました。
「食事が来る前に、パンを食べるのは、日本人くらいだそうですよ」と。

それに対して、ギャルソンはこう答えます。
「ここは、食事を楽しむ場所です。
腹が減れば、料理を食べる。
それで良いんです。」と。

なるほど、確かにそうなんです。
日本人は何かと、礼儀や作法を重んじる民族です。
ですから、マニュアル本に書いてあるマナーに従います。
しかし、レストランの本質は「飯を食う事」です。
それ以上に大切な事などありません。

それは、法事にも通用します。
つまり、法事とは、亡くなった家族を想い、偲んで行なう供養です。
確かに、そこには、何百年と受け継がれてきた伝統や習慣が含まれます。
沖縄風の重箱料理を供えるだとか、団子や香菓子と言う伝統的な供え物があります。
しかし、それらよりも大切な事があります。

それが、心です。

そして、法事は伝統や習慣を勉強する場ではありません。
亡き人を想い、偲び、懐かしむこと、それらを実践することです。

法事の本質は、供え物ではありません。
供える心にあります。

これから、法事を営む方にお願いしたいのですが、
もちろん、供え物にも気を使って欲しいのですが、
是非、供える相手の顔を思い浮かべながら、準備して下さい。
そして、自信を持ってください。
決して、難しい事はないと思います。